武士道

武士道―いま、拠って立つべき“日本の精神”

武士道―いま、拠って立つべき“日本の精神”

新渡戸稲造の「BUSHIDO The Soul of Japan」の現代日本語訳。
源氏以来、日本の武士が培ってきた日本人の魂のよりどころを西洋の思想に照らし合わせて解説した1900年代の世界的ベストセラーを解りやすい言葉で日本語訳した本。読んでみると随所に西洋の思想家、研究者、芸術家などの名前と著作の引用が出てくる。新渡戸氏が様々な論文に精通していた事もすごいが、これが世界的ベストセラーになるという事は、この本を読んだ人たちは引用された先生方を知っていたのだろう。昔の本好きは勉強家なことが伺える。キリスト教徒の立場から解説しているため聖書からの引用も多い。


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以前読んだ国家の品格 (新潮新書)で割と極端とも思えるような日本的精神についての記述があったので、この本をちゃんと読むには「武士道」についての本を読む必要があると思っていた。そこで「武士道」について解説している本でもっとも有名な新渡戸稲造の「BUSHIDO」を読んでみようと思った。なるほど、武士道の精神に照らしてみれば、「お金を儲けるのは悪い事ですか?」なんて発言や某銀行総裁の問題なんて言語道断なんだろうと思う。法律に「やってはいけない」と書いていない事をする場合は「法律にやっちゃだめって書いてないんだから」では済まないのかなと思う。そう考えると、法律って大したものではなくて最終手段なだけなのかもしれない。